離婚時のお話合いには、労力を要するもの。
離婚することが決して珍しいことではない時代。
当社にも離婚に関わる、住宅のご相談を寄せられる件数が増えています。
そもそも、何らかのご事情があって今後パートナーとして一緒に生活していくのが難しいという判断で出した結論が離婚ですから、相手に対する感情が穏やかでないケースが多いのが実情です。
そんな中で、親権や養育費、慰謝料や財産分与など・・・たくさんの決め事は大きなストレスということは想像に難しくありません。
「できるだけ早く別れたい」
「最小限の話合いで済ませたいから、細かな事はもういい」
「今すぐ決めないといけないことだけ決めればいい」
といったように、関わりをなるべく早く断ちたいと思われる方も少なくありません。
しかし、これらをそのままにしておく事は非常に危険です。
離婚時アンケート/Q:「離婚時の条件等の話合いについてお気持ちは?」
苦痛・・・91%
苦痛ではない・・・9%
「苦痛」・・・と答えた理由
- できるだけ関わりたくないから
- 早く終わらせたいので、最低限決めれたらそれで良い
- 顔も見たくない、声も聞きたくないから
- 第三者に入ってもらっても関わりたくないから
- すべてがストレス
- 相手に非があるのに嫌な気持ちになるのが苦痛
- 自分に非があるので責められて辛いから
「苦痛ではない」・・・と答えた理由
- 後でトラブルになるくらいなら今きちんと決めたいから
- 自分に不利な条件になるのは嫌だから
- 自分に非があるので仕方ないから
問題(1)/離婚するので家を手放したい
一番多いご相談が、この「自宅を売却したい」というものです。
その中でも多い理由として、
(1)離婚するにあたって、思い出のある自宅には住み続けたくないから手放したい
(2)離婚して自分(名義人)が住んでいたが、広すぎるし住宅ローンの返済もしんどい
ご自宅を売却することを選択される方は多くいらっしゃいますが、スムーズにいかないのが現実です。なぜなら、売却しても住宅ローンを完済できない場合、差額分を別に用意する必要がありますが、簡単に用意できる金額ではないケースが多いからです。
そのような場合に、金融機関とお話合いをした上で売却することができる方法があります。
これが、任意売却です。
離婚と住宅の問題は一見して別問題のような印象がありますが、実は大きく関係している場合が非常に多いのです。離婚時は現状維持のままで横に置いた問題も、しばらく期間が経ってから「やっぱり残す必要がない」という結論を出されるケースも少なくありません。
離婚をご検討中で、ご自宅の売却をご検討される場合は、事前に確認しておくべき事がたくさんあります。
問題を事前に清算するためにも、ご相談頂く事をお勧めします。
問題(2)/離婚するが、家は残したい(子供の為、両親の介護など)
お子さんがいらっしゃる家庭での離婚の場合、ご夫婦が一番気になさるのがお子さんのこと。
成人されていたり、既に自宅を出て一人暮らしをされていたり・・・という場合は、お子さんの理解もある程度は得られるでしょうし、そこまでご負担も大きくないでしょう。
しかし、離婚されるご家庭でのお子さんの年齢層は、小学生、中学生、高校生等の世代が多いようです。そんなお年頃のお子さんがいらっしゃるご家庭では、なおさらのこと。
離婚という精神的な負担がかかった上に、転校・・・となると、かわいそうですよね。
そのような理由から、「住み続ける」事を選択された場合についての解説です。
■住宅ローンを完済している方
住み続ける事に問題はありません。
名義などについての確認などは事前にお話合いしておきましょう。
■住宅ローンの返済がまだたくさん残っている方
ローンの返済を滞りなく行っている場合は、どちらかが住み続けることは可能です。
しかし、どちらの名義になっているか、あるいは共有名義か、保証人は?・・・等、確認しておくべき事がいくつかあります。
後々になってトラブルに繋がる可能性があるため、お話合いをしっかり行うことをお勧めします。
■住宅ローンが残っているが、返済が難しくなるかもしれない・・・という方
離婚を機に変わるのは、夫婦関係だけではありません。
生活状況が一変し、今まで考えたこともなかったお金の問題が急激に悪化した・・・という方もいらっしゃいます。特に、「離婚前は奥様が一括管理されていた場合、日々の生活費のやりくり等についての感覚を取り戻すのに時間がかかった」というのも良くお聞きするお話です。
家を残す選択をするも、返済を続けることに不安がある方は、早めの対策を。
ローン返済を続けると競売になる可能性もあります。
より良い解決策を知っておきましょう。
問題(3)/離婚後、慰謝料代わりに返済を約束したが返済を続けられない
離婚時のお話合いで、慰謝料を払っていく代わりに、ご自宅のローン返済をする約束をするケース。ご相談いただく中で、大半を占めるのがこちらのケースです。
当然、納得してのお約束ですし、お子さんがいらっしゃれば、なおさら返済を続けていくご意思は固いものでしょう。しかし、そのお気持ちとは裏腹に、収入状況の変化というのは、いつやってくるものか予測できるものではありません。
実際に、収入減を機に返済を約束された元ご主人様(奥様)からのご相談が多く寄せられます。 払いたくないわけではないのに、払えない・・・という罪悪感を強くお持ちの方が多く、「お子さんや元奥様の事を考えて最善の解決策を教えて欲しい」といったご希望を叶えるためにも、早い段階でご相談をお勧めし、お手伝いをさせて頂いています。
ここで重要なのは、
・住宅ローンの名義
・連帯保証人
の内容を、きちんとお互いが把握されているかどうかです。
条件により、気を付ける点が異なります。把握できていない場合、ご確認される必要があります。
【住宅ローンの名義】、【連帯保証人】等の、お借入時の条件の把握と確認。
そして何より、≪早く対策をうつこと≫。離婚時の問題を軽減するためにも、お早めにご相談ください。
「離婚と住宅ローン問題」~まとめ~
離婚を機に住宅ローンを清算したい・・・という選択をされる方には、少しでも早くご相談いただくことを強くお勧めしています。離婚時にお話合いをせずそのままにされていて、後々にトラブルになってしまうケースが後を絶ちません。
また、離婚後数年経ってからでは、再婚していたり、連絡も取れない状況になっていたりと、何かとスムーズに進められない場合もあります。
できることなら、大きなトラブルになってしまう前に、スッキリ解決しておきたいですよね。
連帯保証人や共有名義等、簡単には解消できない問題の早期解決のためにも、早い段階でご相談ください。